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「ん…、んぅ?…夢か…」
「随分昔の夢を見たな…。おはよう、母さん…」
俺は机の上にある一枚の写真に向かってあいさつをする。俺の母さんだ。
俺の母さんは俺が小学校三年の時に亡くなった。死因は癌だ。
あの夢は母さんの葬式の時だ。
大好きだった母さんの葬式で俺は声を上げ泣いた。親父は泣くなと言っていたが、あの歳を考えれば普通のことだと思う。親父は葬式中泣かなかった。
でも、俺は知ってる、葬式が終わった後、親父が棺の前で大粒の涙を流したことを……
その時に見た親父の背中は今でも忘れない。
「………そろそろ起きるか」
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