起因

4/7
前へ
/30ページ
次へ
    早く夜になればいいと、眠りたかったけど、まったく眠気なんかこなくて。     自室のベッドで横になり、ただ天井を見ていた。       敦兄は彼女が出来てから、まったくと言っていい程俺に構ってくれなくなった。          その淋しさが余計に敦兄への想いを増幅させていた。             瞼の裏に浮かぶ姿はいつも幼い敦兄で。       今はどんな風に笑うのか、どんな風に怒ってみせるのか、俺は知らない。            
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

279人が本棚に入れています
本棚に追加