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『そんなの、聞いてみないとわからないじゃない?』
そう言う小雪に、璃音は頭を埋めたまま小さく首を振った。
『体育館出るときにね、女の人と親しそうに話してるの見ちゃったし……自信ないよ……』
声が小さく震えていた。
小雪は無理矢理、璃音の頬っぺたを両手で押さえて顔を上げた。
『折角ここまで来たんでしょう!?こんなトコで諦めるのっ!?』
普段怒らない小雪が怒るのが、璃音は一番苦手だった。
理由は毎回同じ。
小雪が怒る時は正しいから。
自分がくじけてるときは、必ず小雪が叱ってくれた。
『わひゃった……あとで行きまひゅ……』
ホッペをムニムニされたまま、なんとか答える。
小雪は、よろしい。と言ってやっと手を離してくれた。
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