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入学式当日。
教室の窓から、新入生の波を眺めている男が一人。
そこにもう一人、屈託のない笑顔でニヤニヤしながら近付いて来る。
『どうした?愛しの君でもいたか?』
急に耳元で囁かれた声に、ビックリして後ろを振り返る。
『何だ…シン…お前悪趣味だぞ』
ジトリと冷たい目で親友の顔を見る。
『良く言うよ、ヤマトだって無防備にボ~っとしてたくせに!』
プンと頬を膨らませる。
普通の男なら‘気持ち悪い’と一喝される所だが、シンに至ってはその表情に違和感はなかった。
(女みたいな顔してるからな…)
ヤマトは一人で納得する。
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