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「ー…今日からこの学校に通うことになりました、神崎怜杏(れあ)です! よろしくお願いします!」
学校に入ってまず最初の仕事は自己紹介だった。
新しい担任に連れられて私はクラスの人達と顔を合わせた。
ざっと三十人くらいはいるクラスの中には、髪の色が茶色い人やピアスをしている人など、私立にしては自由な人たちがたくさん見られた。
「神崎は訳あってみんなより一学期遅れての入学だが、みんな仲良くやってくれよ!」
担任、進藤 瑛(あきら)は私の使う席を教えながら、クラスの人たちに伝えた。
私の席は窓側から一列ズレた一番後ろの席だった。
ふと私の隣の窓側に座る子を見てみると、少し赤毛に近い茶色い髪、言うなれば深みのある赤系のブラウンの髪をしていた。
ズボンを履いていたため、どうやら男子が隣らしい。
彼は顔を机に伏してした。
「こら、烈也(れつや)! ホームルームぐらい起きてろ!」
先生は彼の頭をガシガシ掴みながら起こした。
「ほら、今日からこのクラスの一員となった神崎だ! 仲良くしろよ!」
先生に起こされた烈也と呼ばれる人は、まだ眠そうな目で私をみた。
「神崎です、よろしく!」
笑顔で挨拶をすると、彼はじぃっと私を見たまま止まっていた。
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