序章

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今日も私は喫茶店『ロンド』へ向かう   駅から少し離れ、小道を入った人通りの少ない雑居ビルの地下にある   やっているのかやっていないのか、通っただけではわからない 雑居ビルの階段をおり、少し薄暗いドアの前にきてやっとわかる   『オープン』   今日もやっている この店を見つけてから、毎日のように来ているが一回も『クローズ』となっているのをみたことがない   いったいいつ休むのだろうっと それも気になり毎日来ている   ドアを開け カランカランと少し懐かしい音が響く   そしてワルツが聞こえる 店の名前はロンドなのに… ふっこれもこの店の面白い所だ     「いらっしゃい」     この人がこの店の店長…いやマスターだ 歳は70を越えてるいる 店員もこのマスターしかみた事がない この店を一人で切り盛りしているらしい   店の中は喫茶店というよりバーに近いものがある 地下というのもあるのか、やはり薄暗くオレンジ色の証明がついているだけだ 入って左には4席しかないカウンター 正面には2人用の席が2つ 右はじには4人用のボックス席が2つ 店は余り広くはない   そして私はいつものお気に入りの席につく 右はじ奥の4人用ボックス席だ この席はすべての席が見え、入ってくる客もみえる   マスターにいつものロンドオリジナルコーヒーを頼む 一度飲むと忘れられない   今日はまだ客は誰も来ていない いつもなら1人くらいはいるのだが   まぁいい 今日も人間観察の時間だ
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