二章

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授業が始まる。実技の授業だ。 「イチトセ。お前はなんの属性が得意なんだ?」 教師が聞いた。 「全部苦手です」 イチトセは元々は全部簡単に扱いこなせるが、今は簡単な魔法しか使えないため、そういうことにしたのだろう。 「何だ。おちこぼれか」 イチトセはどう言われようといいので、否定しない。が。 「イチトセは俺に勝ってるんだ。おちこぼれなんかじゃねぇだろ」 チンピラが一際大きな声で言った。先ほどの戦闘で、イチトセを認めたようだった。 周りはざわざわと騒がしくなり、あれはまぐれだろ、とか口々に言っている。 「うるせえ!負けは負けだ!」 教室はチンピラの一喝で静まり返った。 イチトセはにこにこしている。
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