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自分の席に着いた私は、頬杖をつき、自分の力について考える。
いつからだったかな。
この異能な力を使えるようになったのは。
それを思いだそうとしていると、前の席から小さく声がかけられた。
「今日も遅刻しちゃったんだね、零?」
「ええ。また夜遅くまで起きていてしまったから。あなたは大丈夫だったの、明里?」
「あたしもギリギリだったよぅ」
明里は苦笑しながら私に言った。
明里は、数少ない私の友達。
こんな異能な力を持っている私は、人とあまり関わるということをしないでいた。
何故なら、私は絆だって消せるから。
だから友達なんてできたとしても、その絆を消してしまうのではないかという、怖さがあるから…
他人とは関わらないようにしていた。
でも、明里は違った。
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