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部屋の中、私達はお互いに身を寄せあいながら手を握りあう。
部屋に流れるのは紗英がくれたあのCD。
優しげな女性の歌声にのせたラブソングが心に染み渡る。
「cherish our love。…本当にその意味の通りになればいいね」
「なるよ。きっと」
綾が私の肩を抱く。
私達は唇を重ねながらその場に一緒に倒れ込んだ。
「さあ。千尋が言ったお願い今聞いちゃおうかな?」
「お願い?」
「帰ったら、一杯しよ?そう言っただろ?」
ちゃんと覚えてたなんて。
赤く頬を染める私に綾は耳元で囁いた。
「千尋の身体に一杯俺の愛を刻みつけてやるからな」
「……本当に綾のスケベ」
私達は顔を見合わせて笑う。
これからも私達は共に進む。
沢山の愛を育てながら。
やがて抱えきれない程の大きな愛にするために。
抱き合う私達の後ろで、いつまでも愛の歌が流れていた。
☆ fin☆
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