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「綾は教職を捨ててまで私をひたすら守ってくれました。でもそれは私が望む事ではありません。私は彼と離れたくない。学校をやめても一緒にいたい!」
「学校にこれなくなるって…この事」
さやかが私の言葉を思い出したのか途切れ途切れに呟いた。
「やめたまえ!君はわかってるのか?教師と生徒が恋愛などとあってはならない!」
教頭先生が慌てたように私を怒鳴り付ける。
私は負けないように教頭先生を睨み付けた。
「生徒が何?
先生が何?
そんなの全然関係ないっ!」
教頭先生は私の迫力に面食らった様に口をつぐむ。
私は再び全校生徒を見つめ返した。
「皆も誰かを好きになったことはあるでしょ?
どんなに好きになっちゃいけない人でも想いが止められない事がない?
私はまだ彼が先生と知らない時に綾と出逢った。
後から先生と知っても、私はこの想いを止める事は出来なかった。
それなのに、否定されるべきなの?この恋は。
ただ教師と生徒だっただけで!」
私は皆に想いをぶつけるように体育館中に声を大きく響かせた。
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