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「もう、いい加減にしなさい!」
他の先生が私につかつかと歩み寄った。
私の腕をぐっと掴み、体育館から引きずり出そうとする。
それを見た綾の顔が変わった。
「離して!」
私は必死で抵抗する。
綾が壇上から降りかけた瞬間、
誰かが私を掴む先生にすがり付いた。
「千尋!」
必死で先生にすがり付き、私に叫ぶのはさやかだった。
「…さやか?」
「千尋、行きなよ」
さやかが優しく笑った。
「あんた、いい女になったじゃん。
先生のおかげかな」
さやかの言葉に私はまた涙が込み上げる。
「こらっ!やめなさい!」
さやかを引き剥がそうとした先生の身体を、秀一が押さえ込んだ。
「秀一君っ!」
「早く行け!池田!」
先生を後ろから羽交い締めにした秀一が叫んだ。
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