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似たり寄ったりの双方に挟まれて
俺は
再び深く溜め息をついた
「勇樹。ごめん、俺は大丈夫だよ」
この上から冷静な視線で見下ろしている
この人はきっと助けてはくれないだろうという
結論に至り
仕方なく
勇樹を宥めるような口調で言葉を紡ぐと
俺は自分で這い上がる事にした
「上がれるのか」
氷のような彼女は
そういつもの無表情で紡いで
必死で上へ這い上がろうとしている
俺を見下ろし問う
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