はじめに。

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昔…。それはこの世界が創造されたはるか昔…。 世界は、神と呼ばれる龍たちの手によって創り出されたとされている。 大気を造り、雷が鳴り、水が溢れ、大地が出来、緑が生え、炎が燃え、光と影が生まれた。 これが後に世界の理となる陰陽五行である。 彼らは世界を色で満たし、やがてそれは生命を生み出し、いつしか人と呼ばれる動物が溢れ、歴史を作る。 万物流転。世界は廻り始めた。 これを表の世界[人間界]と呼んだ。 そして、神なる龍達はもう一つの世界を創り、棲みやすいように大気中に力を薄め、自らの棲処とした。 また龍達も繁栄を重ねたが、龍だけが住み着くこの世界は悲しくもやがて突如勃発した同族同士の争いにより、儚く、無惨に破滅へ傾いていった。 人間達の世界のように上手くはいかないものだろうか…。 当時の人間界はまだ繁栄をし始めてから歴史は浅く、龍は見誤ったとも言えるだろうか。 世界の破滅を防ぐため、1人の赤子を人間界から攫い、自らの魔力という力を分け与えた。 これが後に[始まりの魔法使い]と呼ばれることとなる人物である。 始まりの魔法使いは男という説と女だっという説があるが、果たして繁栄はこの1人の手によって繰り替えされた。 そして徐々に人間界のような世界を創り、世界は安定を帰していった。 だが、人間界と1つ違うところがあった。 大気中に力を薄めたせいなのか、それとも遺伝なのか、産まれてくる子供に大小の差はあるがほぼ確実に魔力が受け継がれていたこと。そして、他の生物もまた…。 これにより世界は魔力で満ち、人間界よりも進歩する世界となっていく。 だが、いつしか龍達は居場所を追われ姿を消していった。 これを裏の世界[魔法界]と呼んだ。
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