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僕は彼女を間一髪抱きしめることに成功した。
「な、何をしてるのよ。バカ」
せっかく助けたんだからそんな言い方しなくてもいいのに。
「僕が君を放したらその後どうするつもり?」
「飛び降りるに決まってるじゃない」
「だから、君のことを放せないんじゃないか」
「だからって、そんなところを掴まなくても良いでしょ。スケベ」
まぁこれについては一概に否定出来ないけどさ。
なんたって僕は彼女のスカートの部分を抱き締めている。
もちろんだけど、狙った訳じゃないんだよ。
あくまで助けようとしたら、意外にも彼女のよじ登るスピードが早くてこうなってしまったのである。
それにしても女の子ってこんなに良い匂いがするんだ。
なんかほんのりと甘く鼻にツンとこない女の子特有の匂いがして、僕もおかしくなりそうだ。
「いい加減放しなさいよ」
彼女は足をじたばたさせ始めた。
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