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いったい自分がいつ死んだのか見当がつかない
「ボクはいつ死んだの?」
「5日前の交通事故だ。まぁ実際は幽体離脱で、おまえの身体は病院で植物状態なわけだが、戻れる見込みは無いな」
「ほぼ死んでるんじゃないか…」
「だからそう言っただろ」
植物状態でまだ家族に心配と迷惑を掛けていると思うと、気が重くなった…
「…はぁ…嫌だなぁ…。
…そういえば、自己紹介とかまだだったよね。ボクは渡辺隼。キミは?」
そう言うと彼は呆れたように、
「いきなり何を言い出すと思えば…。お前今自分がどうなってるのかホントにわかってんのか?
…オレは榊原悠弥。お前と同じ水越高校の1年だ。クラスは違うけどな」
「え、何でボクが水越だってわかるの?」
「事故ん時の、制服のままだろ、お前」
言われて初めて気が付き、自分の身体を見回した
すると悠弥は
「お前、何で幽体離脱なんかしてるのか、自分でわかるか?」
そう訊いてきた
その問いにボクはこう答えた
「…わかんない」
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