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愛里「…………勇実くん。 去年不良半殺しにして問題になったの忘れたの?」
勇実「理事長が父さんの友人の妹だから退学とかにならず助かったな。」
愛里「大丈夫だったの? 不良さん達。」
勇実「全力疾走で逃げる余力があったから大丈夫だと思うぞ。」
愛里「それは良かったね。」
勇実「まあ、そんな事は今はどうでも良い。」
愛里「どうでもいいんだ…」
勇実「問題なのは殴り飛ばした時に思いっきりケーキの箱を持ってたんだ。」
愛里「…………それは…」
勇実「案の定中身はメッチャメチャのグッチャグチャ。 純華に怒られた。」
愛里「………つまり、ウチに来たのは…」
勇実「代わりのケーキ作ってくれ。」
愛里「勇実くんも作れるでしょ。」
勇実「愛里の方が上手だろ。」
愛里「………しょうがないなぁ。 直ぐに作るわ。」
勇実「純華のはチョコケーキ、母さんはモンブラン、光司と零はショートケーキ、父さんは甘いもの食べないからパスで秋兄ちゃんと俺とヴェニーさんは何でもいい。」
愛里「はーい。」
??「あれ~? お兄ちゃん来てたの?」
勇実「何だ光司。 来てたのか?」
コイツは光司(コウジ)。 オレの弟で宝鈴学園幼等部年長組だ。
光司「葉鳥くんの所に遊びに行こうと思ったら家族でテレビ局に行ってるって思い出したから仕方なくコッチに…」
??「仕方なくって何よ?」
光司「まあ、その通りだし。」
??「何か文句あるの?」
この子の名前は優奈(ユウナ)。 愛里の妹で光司と同じで宝鈴学園幼等部年長組である。
優奈「全く何よ!? そのカンにさわる言い方は!?」
光司「別に………ん!?」
勇実「どうした?」
光司「家の台所の方から言いしれぬ妖気を感じる…」
勇実「ウチの台所は何かに憑かれてるのか?」
優奈「良いから話を聞きなさーい!!」
ブウゥン!!!!
ブウゥン!!!!
優奈はあちこちに置いてあるオモチャを光司に投げつけた。
光司「チョッ!? 危ないよ!!」
フワッ!!
光司は空中に浮きながら優奈の投げたオモチャを躱した。
優奈「あぁっ!! 空中浮遊なんてズルいわよ!!」
光司「サイコキネシス使わないだけマシだろ!?」
優奈「当たり前よ!!」
勇実(……サイキッカーっているもんなんだな。)
??「ただいまー。」
勇実「あ、お邪魔してまーす。」
??「あら、いらっしゃーい。 勇実君。」
光司「お邪魔してまーす。 オバサン。」
ガシッ
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