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博麗霊夢はぐっすり眠っていた。
この日、博麗神社の桜は満開になり、皆で一日中宴会をしていた。
皆が帰り、いつも通り一人で後片付けを終えて、やっと寝れると思い寝たのだ。
---4月1日午前0時00分
うぅぅぅぅううぅぅぅうぅぅぅぅううぅぅぅ……
霊『っさい!!!』
突然鳴り響いた音で霊夢は飛び起きた。
霊『何っ、何なのよこの音は!何かのサイレン!?』
突然鳴ったサイレンはあまりに大きな音だった。それは、疲れきってやっと寝ることの出来た少女を起こすのに何の苦労もないくらいだった。
霊夢は周囲を伺い、ゆっくり外に出た。
霊『何……これ?』
神社の周りを囲む紅い霧。さっきまで咲いていた桜は跡形もなく消え、凍てつくような寒さは冬のようだった。
霊『これは……紅い霧の異変に長い冬の異変が同時に起きてる?』
霊夢はゆっくり空を見上げた。
霊『嘘……満月?』
霊夢の顔を美しく照らす満月が、そこにはあった。
霊『そんな……だって今日は新月のはず……』
霊夢は冷静に考え始めた。
霊(待って、おかしいわ。これは異変よ、それしか考えられない。でも誰が何の為に?……レミリアはもうこんなことしないわ。幽々子だって西行妖は咲かないと知ってる。月の住人たちも話は付けてある……。そもそもこんな異変を起こせる妖怪なんて幻想郷には紫以外考えられない。でも紫は自分から異変を起こそうとはしない……!)
そこまで考えた瞬間、不意にスキマが現れた。
霊『あら、紫。』
紫『こんばんは、霊夢。早速だけど、説明してる暇はないの。何も聞かずスキマの中に入って頂戴。』
紫はいつもの口調ではあるが、明らかに焦っていた。
霊『何言ってるのよ、この異変はあたしが解決しなきゃいけないのは分かってるでしょ?』
紫『早くしなさい。もうスキマを開くのは限界……』
---うぅぅぅぅううぅぅぅ……
またサイレンだわ。霊夢がそう思った瞬間、紫とスキマは消えた。そこには紫が書いたであろうメモが残っていた。
紫メモ『これは異変じゃない。能力も制限されてる。空間が---』
そこから先は破れていた。
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