キライのち……

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「ねぇ姫?」 「んっ?なぁに?」 何故だか高木くんが凄くキラキラした目で私を見つめてきた。 嫌な予感…… 「僕等付き合うことになったんだからいい加減、高木くんは止めてちゃんと桔平って名前で呼んでよ?」 ほらやっぱり。 でも私の答えは決まってるの。 「ヤダ」 「何で?彼女なのに名字なんて変だよ?それに時期に姫も高木さんになるんだから」 「なっ!イヤなものはイヤなの!!」 高木くんがサラリと凄いことを言ったけどそういう問題じゃないんだ。 「じゃあ理由を言って?それによっては考えるから」 「理由……」 「そう。ちゃんと僕を納得させるような」 高木くんは私のことをまくし立てるようにそう言う。 しょうがない。 「みんなと一緒なんてイヤなんだもん」 「えっ?」 聞こえなかったの? こんな恥ずかしいこと2回も言わせるなんて…… 「だーかーらみんなきっぺーで呼ぶんだもん!みんなと同じはイヤなの!!!」 「姫……」 「なにさ?どうせあきれてるんでしょ?」 自分でも分かっている。 こんな子どもみたいな理由。 出来ることなら言いたくなかった。 情けない。 「姫顔あげて?」 「ヤダ」 さっきからヤダヤダばかりで駄々っ子みたいだ。 でも顔あげられないよ。 だって顔あげたら泣いているのばれちゃうもん。 こんなことで泣いているって分かったら、益々面倒な子だって思われちゃうよ。 せっかく両想いになれたのにこんなんじゃフラレるちゃう。 「姫?いいから顔あげて?大丈夫だからねっ?」 高木くんの優しい声に反応し、思わず顔をあげてしまった。 すると 「なんでぇ……?」 高木くんが満面の笑みで私を見ていた。
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