キライのち……

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「さすがなっちゃん。僕等に気をきかせてくれたんだね。あっ、姫シャンプー変えた?僕この匂い好きだな。凄く良い香りがする。ローズかな?」 高木くんは私の胸から手を離しでも抱きついてまま、私の首筋の辺りに顔を埋め髪の毛の匂いを嗅いでいる。 確かに昨日お気に入りのショップで買った薔薇の香りのするシャンプーに変えたばかりだ。 だけどそんなのが分かるなんて高木くんは…… 本物の変態だ。 「はぁー、高木くん……また来たの?」 高木くんはいつの間にか毎日、お昼休みの時間にやって来るようになった。 「んっ?そりゃ来ますよ。だって姫に会いたいし。でもまぁ姫が僕の彼女になってくれるって「言いません!」 私は高木くんがこれ以上余計なことを喋りだす前に、間髪入れずに否定の言葉で遮った。 高木くんに黙ってしゃべらせておいたら勝手にドンドン話が進んで大変なことになりそうだもの。 「そりゃ残念。まぁ後々心配しなくてもそうなるよ。ねぇそれにしても姫、僕のことは高木くんじゃなくて桔平って呼んでっていつも言ってるでしょ?」 「イヤよ、そんなの。」 何で私が高木くんの事をそんな風に呼ばなきゃならないのよ。 私を高木くんの周りにいるような女の子達と一緒にしてほしくない。 そう。 高木くんはいつもたくさんの女の子に囲まれている。 そして私とは全く違う可愛いげのある女の子達に甘ったるい声で、きっぺーきっぺーって呼ばれてるんだ。 別に高木くんが特別女好きのプレイボーイというわけではない。 なんか勝手に女の子の方から寄ってくるって感じだ。 高木くんはそれを受け入れるでも、突き放すでもなく適度な距離を取り、上手く交わしている。
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