キライのち……

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高木桔平という男はこんな風にいつも私にまとわりついている変態みたいなやつだけど、実は凄くモテるのだ。 身長が高くスラッとしたモデルのような体型。 女の子が好きそうな甘めの笑顔に整った綺麗な顔。 物腰の柔らかなしゃべり方。 そして老若男女問わず誰にでも優しくて…… そんな高木くんが何故だか妙に私に執着しているのだから不思議でたまらない。 私は別に絶世の美女という訳でも、とびきり性格が良いわけでもない。 たぶん良く言って普通よりちょっと可愛いくらいだし、性格も可もなく不可もなくといった感じだ。 「相変わらず姫はつれないね。でもそういうところも可愛いけど?」 「なっ!?そんなことよりなんか用なの?」 本当この男侮れない。 普通に話しているつもりでもいつの間にか、こんな風に所々に甘い言葉を挟んで私を動揺させる。 「んっ?一緒にお昼食べようと思って」 高木くんはそう言って、他の女の子だったらコロッと堕ちてしまいそうなフンワリとした笑顔を見せた。 ふふっ、今日の私は一味違いますのよ? 「残念でした。今日はなっちゃんと食べるんです」 私だってちゃんと言えるんだから。 いつも流されっぱなしじゃないのよ? 私は参ったかとでも言うような得意気な顔で高木くんを見た。 「ふーん?でもなっちゃん他の子と食べるって言ってたよね?」 「なっ!?」 「忘れてたんだ?姫ったら意外とドジだよね」 高木くんはそう言うと意地悪そうに笑った。 悔しいっ!! 「とっとにかく私は高木くんとは一緒に食べませんから!」
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