キライのち……

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お弁当を片付けた後だったから良かったけど、そうじゃなかったら大変なことになっていそうだ。 しかもギューッと力強く抱きしめるから 「高木くん…苦しい……」 息が出来なくなりそうだ。 「あっ!ゴメンね」 高木くんは私が苦しそうにしているのを見ると、慌てて離れてくれた。 「高木くん私のこと殺す気?」 私がキッと高木くんを睨むと 「姫が睨んでも全然恐くないし可愛いだけだよ?」 なんて事を笑顔でサラリと言う。 「バカ」 だから私はいつもこんなことしか言えないんだ。 「はぁー、姫は本当可愛いね。今すぐ僕のものにしちゃいたいよ。ねぇやっぱり付き合おう?」 「なっ!?やっぱりってなにさ?付き合いません!」 「えー?あっ、そろそろ昼休み終わるね。戻ろっか?」 「うん……」 別に私は高木くんのことがキライでこんな態度をとっている訳じゃない。 むしろ私は高木くんのことが好きなんだ。 でも自信がない。 高木はいつも抱きついてきたり、可愛いって言ったり、付き合おうって言ったりするけど肝心な言葉…… 好きっていう言葉は一度も言われたことがない。 高木くんが言ってくれる付き合おうって言葉が、本当か冗談なのかが分からない。 私が高木にOKをしたとして、もし冗談だったのにって言われたらどうしよう…… そう思ったら私はやっぱりなにも言えないんだ。 今のままで良い。 きっと高木くんは私をからかって楽しんでるんだ。 きっとすぐに飽きて私にも会いに来なくなるに決まっている。 そんなの辛すぎる。 だから私は早くこの想いを忘れるんだ。 手遅れになる前に。
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