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「もしかして高木と付き合ってるの?」
「えっ?」
「ほら、いつも昼休み河合さんに会いに来てるし仲良さそうだし」
「ちっ違うよ。付き合ってなんかないよ」
そうかやっぱり他の人から見るとそう見えるんだ。
本当は全然違うのに。
「でもさアイツは河合さんのことが好きなんだろ?いつも姫、姫言って付きまとってるし」
「そんな訳ないよ。私は高木くんのことが好きだけと、高木くんはきっと私のことからかって遊んでるんだよ。好きなはずない……」
「河合さん……俺だったらそんな思いさせない!河合さんのこと絶対に大切にするだからあんなやつ辞めて俺と」
「さっきから何勝手なことばっか言ってんの?」
いきなり後ろから声がして驚いて振り向くと、高木くんがいつもとは全然違う声と顔をしてこっちへ近づいてきてた。
「高木くん……」
「ねぇ姫菜。僕がいつ姫菜のこと好きじゃないなんて言った?姫菜のことからかって遊んでる?冗談じゃない。姫菜はいつもそんな風に僕のことを思っていたの?」
最初は怒りの方が強かった口調が、最後の方は悲しそうでまるで泣いちゃいそうな口調になっていた。
「ゴメンね。でも私……」
「なぁ!俺のこと忘れてない?」
私が口を開きかけた時だった。
斉條がいきなり話し掛けてきた。
そうだった。
今私斉條くんに告白されてる最中だったんだ。
高木くんの登場ですっかり忘れてた。
「ねぇ姫菜?姫菜は斉條のことが好きなの?」
「えっ?好きじゃないよ」
いきなり聞かれて思わずサラリと答えてしまった。
「だってさ残念だったね斉條」
高木くんはそう言うと斉條くんにさっさと行けといったような仕草をした。
「なっ、分かったよ。じゃあな」
斉條くんを顔を真っ赤にして怒りながら、渋々といった感じに去って行った。
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