60人が本棚に入れています
本棚に追加
煙草が灰皿に押し付けられ火種が消される。
署長
「君に来たのはリストラでも減給の知らせでもない」
一拍置いて
署長
「……転属の話だよ」
恭也
「…………は?今なんと?」
またもや思考停止。
今日は妙にフリーズするな俺の脳内Windows。
ウィルスチェック忘れたか?
署長
「だから君の転属の話だ。ほらこれが辞令」
そう言うと懐から一つの封筒を取り出し、俺に渡してきた。
渡された封筒には開封した跡は無く、表面には達筆な字で『辞令』と書いてある。
鍵括弧までつけるとは粋な心意気ですね。書いた奴出てこい
恭也
「開けて良いですか?」
署長
「無論だ。君宛の物なのだからな」
恭也
「んじゃ失礼して……」
懐から愛用のツールセットを取り出しナイフで上3mmを切り取る。
署長
「警官がそういう物を持つのはあまり感心しないな」
恭也
「……大事な物なんで手放したくないだけです。普段は使いませんよ」
署長
「そうか……ならいいが」
開いた封筒の口に手を突っ込み中から紙を取り出す。
紙は縦に四つ折りにされた一枚だけ。多分サイズはA4だろう。
そして広げた紙には―
最初のコメントを投稿しよう!