第一章

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また訓太は語り出す。 「良太郎の脳味噌は、きっと僕とは比べられないぐらい優秀なんだ。 良太郎は僕の事を成績優秀で、論理的で、科学信奉者だと思ってるだろ?」 確かに成績優秀だが、自分で言う訓太に少しムカついたので、許される範囲の意地悪を言った。 「少し違う。ガリ勉で、屁理屈やで、マットサイエンティストだとは思うが。」 訓太も少しムカついたように見えた。ざまあみろ!お返しだ! 「なんだよ、それ!でも良太郎は僕と比較にならないくらい頭の回転が早い。 ただ直感的で、そこに行き着くまでの方程式を必要としないだけなんだよ。 それを無意識にやってるんだから、自分で自覚がないんだ。」 「まさか…… 僕はそんなに優秀じゃないよ。」 急に褒められて、かなり慌てた。しかし訓太は僕の反応には気付かないようで、普通に話始めたので、少しほっとした。
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