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「生きてる人間じゃない!」
「やっぱりそうなるね」
僕の叫びに、隣りで澄ました顔で答える訓太が少し羨ましかった。
なぜなら、こんなものを見る事がないのだから。
重力に身を委ね落下する女子生徒は、不思議と切り貼りした映像のように、ほとんどそのまま落ちていった。
着ている制服が風にはためく事はない。
地面落ちたはずのあの子は、しばらくすると、どこからか、また三階に現れた。
僕は彼女を見ないように心掛ける。
自殺を繰り返す可哀想な彼女を、これ以上見てはいられなかった。
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