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「ウィリアム!!」
慌てて駆けつけたスミス夫妻の目に飛び込んだのは、18年前と変わらない姿のウィリアムだった。
「本当にウィリアム‥‥なのか…?」
ウィリアムを知っている人間は皆、絶句した。
あの日、バンパイア狩りに出掛けたままの姿なのだ。
静まりかえる玄関ホールに足音が響いた。
「あの……スミス様?ビクトリアさん?」
戻ってこない皆を心配してサラが顔を出した。
「セシル!!」
一瞬にして満面の笑みになったウィリアムがサラへと近づいた。
「セシル!やっぱり生きていたんだね。お兄ちゃん心配したよ」
何か鬼気迫るものを感じ、思わず後退りしてしまう。
「私はセシルさんじゃありません。サラ・ビルフォードと申します」
どうにか名乗ったが、ウィリアムは怪訝な顔をしながらも口元には笑みを浮かべ、尚も近寄ってくる。
「何を言ってるんだセシルは?その透き通る肌も輝く金髪も、何より深い青の瞳はセシル以外考えられないよ」
近寄ったウィリアムがサラに触れたとたん、
『ギャァァァ』
断末魔が響いた。
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