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全員の目がビクトリアに注がれる。
ただサラだけが控え目に口を開いた。
「あの‥‥私は席をはずしましょうか?」
「いいのよ。ううん、むしろ居てちょうだい。今から私が話すことはサラにも大事な話なの」
ビクトリアは覚悟を決めたのか落ち着きをはらい、語りだした。
「旦那様、奥様、今まで黙っていて申し訳ありません。今から私がお話することは全て真実です。誓って、嘘は申しません」
落ち着いてはいるものの、どこか疲れたような、瞳は18年前のあの時を思い出しているのか、遠くを見つめていた。
「全てはセシルお嬢様から悩みを相談されたことから始まりました」
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