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「でも‥‥‥」
「気にしないで!それよりも実家の連絡先を教えて頂戴。先にしといてあげるから」
あまりに広い部屋に躊躇しつつ、机を借りて連絡先を書いた。
―――フジマートシティ―――
―――ロングリバー56番地―――
―――愛情の家―――
「ここが私の実家です」
少し寂しそうに話すサラにビクトリア優しく話した。
「ここにはパパもママも兄弟もたくさんいるのね…会いたくなったらいつでも教えてね。休暇くらいあげるから」
「はい、ありがとうございます」
皆が孤児院の子だとわかると同情した。
ビクトリアは同情ではなく家族として扱ってくれたのが、サラには嬉しかった。
「今日は疲れたでしょ?夕飯までゆっくり休みなさい」
「でも、それじゃ…」
「気にしないの!あっでも夕飯の前に旦那様と奥様には会ってもらうわね。だから今はゆっくり休んでね」
「はい」
メイドとして買われた自分には恐ろしいくらいの扱いだった。
(でも、本当に疲れた)
フラフラとベッドに行くとそのまま倒れて、やがて深い眠りへと落ちていった。
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