第一話

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「もうすぐ夏休みだね」   「あぁ……。夏休みか……。」   小学校から夏休みはあんまり好きじゃなかった 勉強ができないわけではない 自慢じゃないが、中間試験も期末試験も、学年10位以内には入っている。   だが、宿題は嫌いだ。 特に夏休みの宿題は。   それに、夏休みにいい思い出がない。   というか、思い出自体がない   「夏休み、嫌いなの?」   いろいろ考えていると、美歌が俺の顔を覗きこんで聞いてきた   「まぁ……。正直嫌いだな」   「私……今年の夏休みはとっても楽しみ♪」   「なんで?」   「だって、白鳥くんとたくさん遊べる」   「あ、そっか……。そういう意味では、ありだな」   美歌にとって夏休みが嬉しいのではなく、俺とたくさん会えて遊べるから嬉しいのか。   「ね?たくさん遊ぼうね?」   「だな。」  
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