第一話

10/45
前へ
/73ページ
次へ
「ねっ、真優ちゃん」   「ん?」   放課後 担任が来るのを待っていた中、わざわざ隣のクラスから菜摘が訪ねて来た。   「明日、学校休みじゃん?予定ある?」   「いや?ないけど?」   「本当はテルと行く予定だったんだけど、デパートに買い物行っていい?美歌と」   俺は意味がわからなかった。 なぜ、俺に聞くんだ?   「………。は?美歌に聞けよ?」   「だってせっかく付き合って初めての休みでしょ?デートとかないの?」   「あ~……。」   隣にいる美歌を見ながら考えた。 美歌は俺の視線に気がついたが、"?"という顔をしていた。 今の菜摘との会話を聞いていなかったようだ。   「美歌、明日予定あるか?」   「な、ないよ!!」   美歌はハッ!とした顔で返事をした。   「菜摘が、一緒に買い物付き合ってほしいって」   「あ、え?………、うん……、大丈夫だよ……」   少し悲しそうな顔になった。 美歌って案外コロコロ表情変わるな。   「じゃあ、美歌。明日10時頃迎えに行くね。あっ、今日一緒に帰ろう?」   「うん、いいよ」   「おい、菜摘」   「なによ?私のクラスもまだ先生来てないから、もしかしたらもういるかもしれないんだけど?」   「なんで俺に聞いた?直接聞いた方が早いだろ?」  
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加