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【記念日~続編。花火】
夏の夜空を彩る
花火を見物しに行く人の群れと
逆行しながら君を想う。
華やいだ空気を感じながら……
君が隣にいない現実を
噛み締めていた。
一人家路につき
二階の屋根から見える花火は
殊の外よく見えたが
それを写真に収めようと試みても
上手く撮れずに諦めた。
音と光りが一致しない現実は……
今の君と僕とを想わせる。
「来年は一緒に見に行こうね」
と・・・君が言った言葉だけを胸に
意外と綺麗な花火を見ていた。
遠い空の下の君は
僕と違うリズムで動いている。
花火を打ち上げる音が止み
静けさが……
一人でいる事を思い出させた。
一人佇む僕は
「来年の花火は君と」
と・・・心に誓った。
君の声を待ちながら
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