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「さて……何から教えようか……」
ファーは考え込んだ。
僕はファーの前に正座で座った。
「まず基本から教えようかな。フェイアはこの世界に精霊がいるのは知ってるよね?
童話とか絵本とかでも題材になってるから聞いたことくらいはあると思うんだけど」
「確か……火と水、風に土に樹の精霊ですよね?
小さい時に少し読んだきりですけど」
「うん、あたり」
ファーはうなづく。
「この五つの精霊は私達の生活に欠かせない者達だ。私達は精霊の力を借りて生きていると言ってもいい。
だけど他にも精霊はいるんだ。これは基本、魔術師だけが知っていること」
僕はゴクリと唾を飲んだ。
ファーが真剣な目で僕を見つめる。
「この世界には五つの精霊と……あと二つ精霊が宿っている。この二つの精霊というのが闇の精霊と光の精霊だ」
「闇と光……?」
「うん。闇の精霊と光の精霊はあまりにも力が強すぎて、五つの精霊とは魔法の格が違った。
だからその力を借りることは禁忌とされているんだよ。
その力っていうのがとても特殊なんだ」
ファーは右手を拳にして顔の前に持ってくる。
「闇の精霊も光の精霊も、どちらも全ての精霊の力を吸収してしまうんだよ」
開いた左手で自分の右手を包み込んだ。
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