第9章―町での平穏―

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「じゃあ例えば、闇の精霊は光の精霊に吸収されないの?」 「闇は光に、光は闇に吸収されることはない。片方が片方を吸収できたら均衡が保てないと精霊も分かってたのかもしれないね。 だから闇に抵抗するには光、光に抵抗するには闇しかないわけだ」 「なら、どっちの精霊からも力を借りられたら……」 「……この世界を簡単に征服出来るだろうね」 ファーはお手上げとでも言うように両手をあげる。 僕は逆にぎゅっと手を握った。 「でもそれは有り得ないとされている。 この二つの精霊は相反するもの。両方から力を借りた者はみんな体内から二つの力に蝕まれ……死んでいくんだ。 扱える者がいない。だから禁忌なんだよ。この二つの力には絶対に手を出してはいけないんだ。 ここまでは分かったかな?」 僕はうなづく。 「物分かりがいいね。それじゃあ次だ」
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