第9章―町での平穏―

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まず城を守るときに使った炎に……それから移動するときに使った風……。 あとは湖で使った樹……。 「火と風と樹……かな。あと一つが分からないや」 「あと一つは城壁を直すときに使った土だよ。私は水の精霊がと相性があまりよくないんだ」 ファーは苦笑した。 それから僕のほうを見る。 「きっとフェイアは炎と相性がいいんだろうね。炎の剣を使っていたし。だから魔法は炎を中心に教えてあげるよ」 「うん!」 「じゃあ今日はここまでにしようか。あまり一回で教えすぎても覚えきれないだろうし。続きは明日にね」 ファーは立ち上がり、僕の頭を撫でる。 そしてベッドに勢いよく横たわった。 僕も立ち上がり、自分のベッドに入る。 「おやすみなさい」 「うん、おやすみフェイア」 そして僕達は眠りについた。 けれどしばらく寝付けなかった僕の頭の中には、初めて聞いた闇の精霊と光の精霊という言葉が、頭の中でグルグルと回っていた。
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