第10章―少女―

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宿の前は人がごった返していた。 皆あの馬車を見ようとしているのだろう。 僕は人の波を掻き分けながら馬車へと向かう。 無理矢理前に進んでいるので、いろんな人に毒づかれたりど突かれたりした。 それでも僕はめげずに謝りながら前へと進む。 ようやく馬車が見えるとこまで辿り着くと僕は馬車を観察した。 馬車は想像以上にでかかった。 さっきは宿から見たからよく分からなかったが、近くで見ると馬車に文字が書いてある。 僕は目を凝らして読んだ。 『仮面一座』 仮面一座……? なんだそれ。 僕は馬車の文字を見つめる。 確かに仮面一座と書いてある。 一座ってなんだ? 僕は考え込んだ。 仮面は分かるけど一座って……。 周りに聞きたくても知らない人しかいない。 知らない人に聞くのは気が引ける……。 僕は仕方なく馬車を見つめた。 見ていたらわかるかもしれない。 そう思ったからだ。 人が少しでも前にでて見たいため、僕を押す。 僕はその場に踏ん張りながら馬車を見る。 すると馬車から一人の男が現れた。
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