第10章―少女―

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「ファー! ファー起きて!!」 僕は部屋に入ると、すぐにファーが寝ているベッドへと近付いた。 布団をベッドから剥ぎ取る。 だけどそこには誰もいなかった。 「ファー!!」 僕は部屋中を探し回る。 ファーはどこに行ったんだ? 僕は部屋の外を探そうと思い、ドアへと向かった。 するとドアが開き、探していたファーが入ってきた。 「ファー! どこ行ってたんだよっ」 「ちょっと下にね。フェイア、どうかしたの?」 僕はファーに、広場にいた仮面一座のことを話した。 ファーは静かに聞いている。 僕が話し終えるとファーは少し考え、それから口を開いた。 「仮面一座……きっと彼らは精霊が見えるもの達の集まりだろうね」 僕は驚いた。 彼らには精霊が見えるのか。 「どうしてあの人達は精霊が見えるの? 魔術師の集まりなの?」 「いや、魔術師じゃないだろう。呪文を唱えていないのだからね。もとから精霊が見える者達もいるんだよ」 「もとから?」 僕は繰り返した。 もとから見えるなんて聞いたことがない。 しかもエレメントマスターでも会話はできても、姿は見えない精霊だから尚更だ。 「こういう話は聞いたことがないかな?」
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