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「ファー! ファー起きて!!」
僕は部屋に入ると、すぐにファーが寝ているベッドへと近付いた。
布団をベッドから剥ぎ取る。
だけどそこには誰もいなかった。
「ファー!!」
僕は部屋中を探し回る。
ファーはどこに行ったんだ?
僕は部屋の外を探そうと思い、ドアへと向かった。
するとドアが開き、探していたファーが入ってきた。
「ファー! どこ行ってたんだよっ」
「ちょっと下にね。フェイア、どうかしたの?」
僕はファーに、広場にいた仮面一座のことを話した。
ファーは静かに聞いている。
僕が話し終えるとファーは少し考え、それから口を開いた。
「仮面一座……きっと彼らは精霊が見えるもの達の集まりだろうね」
僕は驚いた。
彼らには精霊が見えるのか。
「どうしてあの人達は精霊が見えるの? 魔術師の集まりなの?」
「いや、魔術師じゃないだろう。呪文を唱えていないのだからね。もとから精霊が見える者達もいるんだよ」
「もとから?」
僕は繰り返した。
もとから見えるなんて聞いたことがない。
しかもエレメントマスターでも会話はできても、姿は見えない精霊だから尚更だ。
「こういう話は聞いたことがないかな?」
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