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「昔は皆、精霊が見えていたと言われているんだ」
「みんな?」
「うん。昔は今と違い、精霊と人は仲が良かったんだ。精霊と人は互いに助け合いながら生きてきた。
精霊は自分達の力を使い、人々に生きていく知識を与え、人々は様々な物を豊かにすることで、精霊に力を与えていった。
だけど、中には精霊の力を悪用する者がいた……」
「悪用って……」
「精霊を騙し、精霊の力で生き物や人を服従させたり、精霊の源となる自然を破壊していったんだ」
ファーは悲しそうに言う。
「それが嫌になった精霊達はある日突然姿を見せなくなった。正確には人間達から姿を見えないようにしたんだ……。
すぐ近くにいるけれど、その存在も、気配さえも感じられないようにした。人との繋がりを断ち切った。
精霊というのはね、心の繋がりが無くちゃ見えないんだよ」
「心の繋がり……?」
そんなことは聞いたことがない。
この話も僕は初めて聞くし。
心の繋がりとはどういうことなんだろう。
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