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「心の繋がりっていうのは、お互いを信頼し、大切にしようとする心と言われてる。
魔術師の中ではそういう絆を持つ人のことを『精霊の加護を得し者』と呼んでいるんだ」
僕はファーを見つめる。
「エレメントマスターは姿は見えなくても会話は出来る。そういう魔術師になるには、ただ力を借りるだけじゃなく、精霊のことも考えることの出来る人じゃなきゃなれないんだよ。
精霊との絆がすごく大切になるって事だね」
「そうなんだ……」
僕は呟いた。
「ということは、仮面一座の皆は精霊と心の繋がりがあるんだ!?」
「そうだと思うよ。きっと精霊を敬愛している人達なんだろうね」
僕は窓の外を見た。
もう人々は去って、昨日と同じように通りを行き交っている。
馬車の周りには子供が興味深そうに集まっている。
だけど仮面一座の人達は誰1人として出てきていない。
僕は少女のことを思い出していた。
「あの馬車がそうなのかな?」
ファーは隣にきて、一緒に馬車を見た。
僕はファーの問いかけに頷く。
「そっか。仮面一座の誰かと話をしてみたいね」
ファーはクスリと笑うと窓から離れた。
精霊の見える人達……。
心の繋がり……。
僕は仮面一座の馬車を見つめた。
ファーと同じように一度話してみたいと思った。
特に……一座の中でもあの不思議な雰囲気をもつ少女……ベルフォートと。
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