第11章―少年と逃走―

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帽子を深く被り、僕と同じく尻餅をついている。 ぶつかった相手は黒いベストに白い服。 黒い半ズボンという格好だ。 ここですれ違う子供達と同じようなありふれた格好。 少年は後ろを振り返って何かを確認すると、急いで立ち上がる。 そしてぶつかった僕を無視して走り出した。 僕がぽかんとしながら少年の後ろ姿を見ていると、二人の男が少年のあとを追っている。 男達は僕に見向きもせずに横を通り過ぎ、少年のあとを追い続ける。 これは普通じゃない……よな。 明らかにおかしい状況だ。 僕は咄嗟に男達を追いかけた。 少年は路地に入っていく。 男達も同じ道へと進む。 これはやっぱりおかしい。 僕はあの男達が少年を追っていると確信した。 少年が何かしでかして逃げているのか、それとも男達が悪いのか。 僕にはわからないが、もし……男の子のほうが悪でないなら助けなければいけない。 いざという時の為に、僕は路地の入り際に落ちていた鉄のパイプを拾ってあとを追う。
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