第11章―少年と逃走―

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「ただいま戻りましたぁ……」 僕はドアを開け部屋に入る。 それからベッドに倒れ込んだ。 「ん? 元気ないね? どうしたの?」 ファーがベッドの脇に座って僕の顔を覗く。 「さっき男達に追われてる男の子にあってさ……助けたんだ……」 「そいつら人攫いかな? 最近多いらしいし。助けたならいいことしたじゃないか」 「だけど名前聞き忘れて……聞いとけば良かったなぁと」 僕はうなだれる。 「そんなに気になる男の子だったのかい?」 「う~……まぁ……」 なんで僕はこんなにもあの男の子を気にしてるんだろう 謎の男達に追われていたから……? 雰囲気が誰かに……そうだ、仮面一座のベルフォートとかいう子に似てたから……? 僕は布団に顔をうずめる。 ファーは少し心配そうに僕を見ていた。
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