352人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日、僕とファーは仮面一座を見に行った。
昨日見ることが出来なかった人達、もう一度見たいという人達がもう馬車の周りに集まっている。
ファーは僕の手を引きながらどんどん前へ進んでいく。
もちろん無理矢理進んでいるわけだから、押しのけた人達から文句は沢山言われたけど。
文句を言われながらも、僕達は一番前まで来ることができた。
少し経って、馬車から黒い仮面の男が出て来る。
昨日と同じように前置きを言い、ハンズの名を叫ぶ。
昨日と同じ面々が同じ順番で出て来る。
ファーは一人ひとりの動きを食い入るように見つめていた。
僕は昨日も見ていたので、誰が何をするか知っている。
だから少しボーっとしながら、一座の奇跡のような出し物を見ていた。
そして遂に彼女の出番がくる。
僕は彼女の名前が叫ばれると我に返った。
馬車から少女が降りてくる。
服は色は違うが昨日とほぼ同じ服だ。
また扇子を取り出して踊り始める。
最初のコメントを投稿しよう!