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「フォート……君は……」
「はぁ……もうバレたか」
ベルフォートは落ちた帽子を拾い上げ、帽子についた砂埃を払いながら呟く。
「まさかと思うけど、君はあの一座の……」
「そう。ベルフォートだよ」
帽子をかぶり直しながら言った。
それから短剣を拾い上げ、僕に近付く。
「これ。君の」
短剣を僕に差し出す。
僕は受け取ると鞘に短剣をしまった。
「さて……君は僕にいろいろ聞きたいだろうけど、それはあとで。とりあえずこいつらから離れようか」
ベルフォートは僕に手を差し出す。
僕はベルフォートの手を握り、立ち上がった。
それからもと来た道を歩いて通りへと出る。
その間僕達は無言のまま歩き続けた。
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