第12章―仮面一座―

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「フォート……君は……」 「はぁ……もうバレたか」 ベルフォートは落ちた帽子を拾い上げ、帽子についた砂埃を払いながら呟く。 「まさかと思うけど、君はあの一座の……」 「そう。ベルフォートだよ」 帽子をかぶり直しながら言った。 それから短剣を拾い上げ、僕に近付く。 「これ。君の」 短剣を僕に差し出す。 僕は受け取ると鞘に短剣をしまった。 「さて……君は僕にいろいろ聞きたいだろうけど、それはあとで。とりあえずこいつらから離れようか」 ベルフォートは僕に手を差し出す。 僕はベルフォートの手を握り、立ち上がった。 それからもと来た道を歩いて通りへと出る。 その間僕達は無言のまま歩き続けた。
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