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馬車の横までくると、ベルフォートは馬車の荷台に近付き、ギルガという名を呼んだ。
呼ばれて出てきたのは黒い仮面の男だ。
黒い仮面の男は僕とベルフォートを交互に見て、訝しげな表情を浮かべながら、ベルフォートの言葉に耳を傾ける。
それからベルフォートが指差す僕をじっと見つめた。
睨まれているような気がする。
僕は緊張して生唾を飲む。
男が僕に歩み寄ってきた。
「お前!」
「は、はいっ!」
僕は思わず背筋を伸ばし返事をする。
男はそんな僕を見て、突然ゲラゲラ笑い出した。
「お前おもしれぇなぁ!」
「……はい?」
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