第12章―仮面一座―

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馬車の横までくると、ベルフォートは馬車の荷台に近付き、ギルガという名を呼んだ。 呼ばれて出てきたのは黒い仮面の男だ。 黒い仮面の男は僕とベルフォートを交互に見て、訝しげな表情を浮かべながら、ベルフォートの言葉に耳を傾ける。 それからベルフォートが指差す僕をじっと見つめた。 睨まれているような気がする。 僕は緊張して生唾を飲む。 男が僕に歩み寄ってきた。 「お前!」 「は、はいっ!」 僕は思わず背筋を伸ばし返事をする。 男はそんな僕を見て、突然ゲラゲラ笑い出した。 「お前おもしれぇなぁ!」 「……はい?」
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