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男は腹を抱えてヒーヒー言いながら笑い続ける。
何がそんなに面白かったんだろうか?
変なことを僕はしたのだろうか?
疑問符が頭の中に浮かぶ僕を横目でチラリとベルフォートが見たが、ベルフォートは何も言わずにそばにいき、男の背中を叩く。
「ギルガ、笑いすぎ」
「だってよぉ~」
ベルフォートは溜め息をついたかと思うと、男の鳩尾を思いっきり殴った。
男はウッと唸ってむせる。
そしてベルフォートを横目で睨みつけた。
「これで笑いが止まるでしょ」
「お前手加減くらいしろよ……モロ入ったじゃねぇか……」
「そんなの僕が知るか」
ベルフォートはまた握り拳をつくる。
男はベルフォートの拳を見ると真面目な顔になって背筋を伸ばし、僕を見た。
「ごほん。あー、坊主。お前、ベルフォートを守ろうとしたんだってな。礼を言う。ありがとな」
「いやそん……」
「だが」
男は僕の言葉を遮った。
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