第12章―仮面一座―

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男は腹を抱えてヒーヒー言いながら笑い続ける。 何がそんなに面白かったんだろうか? 変なことを僕はしたのだろうか? 疑問符が頭の中に浮かぶ僕を横目でチラリとベルフォートが見たが、ベルフォートは何も言わずにそばにいき、男の背中を叩く。 「ギルガ、笑いすぎ」 「だってよぉ~」 ベルフォートは溜め息をついたかと思うと、男の鳩尾を思いっきり殴った。 男はウッと唸ってむせる。 そしてベルフォートを横目で睨みつけた。 「これで笑いが止まるでしょ」 「お前手加減くらいしろよ……モロ入ったじゃねぇか……」 「そんなの僕が知るか」 ベルフォートはまた握り拳をつくる。 男はベルフォートの拳を見ると真面目な顔になって背筋を伸ばし、僕を見た。 「ごほん。あー、坊主。お前、ベルフォートを守ろうとしたんだってな。礼を言う。ありがとな」 「いやそん……」 「だが」 男は僕の言葉を遮った。
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