第12章―仮面一座―

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男は僕を睨む。 「知らない奴に関わろうとするのは感心しねぇな。もしベルフォートがいなかったらお前は死んでたかもしれないんだ。 同じ幸運が続くとは限らねぇし、今日のことが原因でお前が狙われることになっても、俺達は助けることはしねぇ。 死にたくなかったらこれ以上俺達に関わるんじゃねぇ。いいな」 男は踵を返すと、ベルフォートを馬車へと促す。 ベルフォートは一瞬僕の方を見たがすぐ向き直り、馬車へと乗り込んでいった。 僕は一人馬車の近くに取り残される。 一体……なんなんだ……。 僕は足下にあった小石を蹴り上げた。 僕が宿へと向かおうとすると、蹴り上げた小石が少し先にいる少年の背中にヒットした。 「いっっっっ……たああぁぁ!!!」 少年は背中を押さえながら叫んだ。 僕はその場を立ち去ろうと、後ろを向いてソロソロ歩き出す。 「誰だよっ!! 石ぶつけたのっ!!」 僕はついビクッとして立ち止まった。 きっと少年の目には僕が目に入っただろう。 心臓がドクドク言っている。 僕はここにいるのが嫌で一気に走り出した。 「待てっ!!」 少年は走り出した僕を追いかけてくる。 なんで走り出したんだ自分! これじゃあ自分がやりましたって言ってるようなものじゃないか! 僕は自分をけなしながら走り続ける。 謝りたいが謝れそうな状況ではない。 とにかく僕は全速力で街を走り回った。
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