第12章―仮面一座―

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部屋に入ると僕は仮面一座のことを話そうとファーを探す。 ファーはベッドの上で本を読んでいた。 「おかえりフェイア。今日は遅かったね」 ファーはにっこりと笑いかけた。 本を閉じて自分の隣に置く。 「何かあったのかな?」 「うん……いろいろと、本当にいろいろとあってさ……」 僕はファーの隣に腰掛ける。 それからファーに少年の正体が仮面一座のベルフォートだったこと、ギルガに関わるなと言われたこと、メイスに石をぶつけてしまい追いかけ回されたこと、そしてミイスから言われたこと……全てを話した。 ファーはミイスの言ったこととギルガが言ったことに眉をひそめた。 「関わるな……か……」 「何か分かる?」 「少しはね……でもミイスって子が言った私達に巻き込まれるって……これがよく分からない……。 一体何に巻き込まれるんだろう……」 ファーは考え込んだ。 ファーでも分からないなら僕じゃ全く分からないよなぁ……。 僕は窓へと近付き、街の外を眺めた。 なんだか空気がおかしい。 何かが……いる……。 街の外で何かがうごめいている。
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