第13章―戦い―

2/11
前へ
/386ページ
次へ
僕は宿を飛び出し、馬車へと駆け出す。 通りは大人達で溢れかえっている。 僕は人混みを掻き分けながら馬車へと近付いた。 馬車の隣では仮面一座の面々が仮面をつけて立っている。 ギルガが僕に気が付くと歩みよってきた。 「お前……なんでここに来た? 関わるなと言ったはずだが」 「ファ……僕の師匠に行けと言われたから……」 「師匠? ……今日坊主の隣にいたねぇちゃんか。やはりただ者じゃなかったんだな」 「どういう……」 僕は聞いた。 ギルガは少し考えると僕のほうを見る。 「まぁいい。ガキは早く逃げな」 「メイス達だって子供じゃないか!」 僕は叫んだ。 「これは俺らの戦いだ。坊主には関係ねぇんだよ」 そう言うと、彼らは人混みに紛れて行った。 なんだよ……子供は早く逃げなとか、俺らの戦いなんだとか。 意味わかんないだろ。 逃げろって言われて逃げるはずないだろ。 僕は……剣士なんだ!!
/386ページ

最初のコメントを投稿しよう!

352人が本棚に入れています
本棚に追加