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僕は宿を飛び出し、馬車へと駆け出す。
通りは大人達で溢れかえっている。
僕は人混みを掻き分けながら馬車へと近付いた。
馬車の隣では仮面一座の面々が仮面をつけて立っている。
ギルガが僕に気が付くと歩みよってきた。
「お前……なんでここに来た? 関わるなと言ったはずだが」
「ファ……僕の師匠に行けと言われたから……」
「師匠? ……今日坊主の隣にいたねぇちゃんか。やはりただ者じゃなかったんだな」
「どういう……」
僕は聞いた。
ギルガは少し考えると僕のほうを見る。
「まぁいい。ガキは早く逃げな」
「メイス達だって子供じゃないか!」
僕は叫んだ。
「これは俺らの戦いだ。坊主には関係ねぇんだよ」
そう言うと、彼らは人混みに紛れて行った。
なんだよ……子供は早く逃げなとか、俺らの戦いなんだとか。
意味わかんないだろ。
逃げろって言われて逃げるはずないだろ。
僕は……剣士なんだ!!
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