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土人形は攻撃の手を止めない。
絶えず僕に殴りかかってくる。
避けているだけでは黒衣の奴らに辿り着けない。
もうすぐ図形も完成しそうだ……。
ベルフォート達の言うとおり、僕にはどうしようも出来ないのか……。
僕は自分の無力さに情けなくなった。
僕が土人形に足止めを喰らっているうちに、黒衣の人間は図形を描き終えてしまう。
円形に図形の周りに並ぶと、呪文を唱え始めた。
土人形は相変わらず僕に殴りかかる。
僕は攻撃を避けた瞬間閃いた。
もしかしたら突破口を見つけたかもしれない!
僕は少し土人形と間合いをとり、息を整える。
それから真っ直ぐ土人形に向かって走った。
まずは右ストレート……。
僕はさっと屈んで避ける。
そして左のフックが向かってくる。
前に転がり、拳を避ける。
よしっ!
隙だらけだ!
僕は土人形の足の間ををくぐり抜け、黒衣の人間へとダッシュする。
しかし衝撃と共にいきなり目の前が真っ暗になった。
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