第13章―戦い―

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上から何かに押さえ込まれている。 僕は少しずつ顔を横にずらした。 僕を押さえつけていたものの正体は手だった。 土人形の背中から一本の腕が伸びている。 やられた……。 殴ったあとに隙が出来るのは奴らも分かっていたんだ……。 くそっ……動けない……。 僕は必死にあがくが手はビクともしない。 その間も黒衣の人間達は呪文を唱えている。 図形が光り輝き始めた。 血のように赤い光を放っている。 不気味な光……。 だんだんと周りの空気が冷たくなる。 何かがくる……。 僕は直感した。 何か……怖いもの、強い力を持つものがあそこから出てくる……。 光がより一層強くなる。 目を開けているのがやっとだ。 すると図形の中心から何かが姿を現した。 描かれていた文字が集まり、変形し、形を成していく。 とても禍々しく……強大な何かの形を……。
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