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「お前……なんでここにいるんだ」
ギルガが僕を睨みつける。
その目は今までより鋭く、冷たい目だった。
僕は一瞬震え上がる。
「私が行けと言ったんだ」
ファーが優しく僕の肩に手を置いた。
その手は暖かく……僕を安心させる。
「貴方達が狙われていると分かった。だから協力するためにフェイアを向かわせた」
「余計なことを……」
ギルガはファーにつかみかかる。
ファーは表情を全く変えず、大人しく掴まれる。
「この小娘が! お前らが手を出したから、お前らもアイツ等から狙われる羽目になるんだぞ! 分かってんのか!」
「分かっているよ。そのくらい。君らの力を欲しているのが魔術騎士団だってことも。君らがドルイドだってこともね」
「なっ……! そこまで分かっててなんで……」
ギルガはファーから手を離す。
「ミイス……だったかな。フェイアに今日巻き込まれると言ったらしい。私は魔術騎士団を目にした時、このことだと思った。
だから助けに向かわせ、私自身も助けたんだ。もともと魔術騎士団は私達魔術師の敵でもあるからね」
ファーは静かに言う。
ギルガは呆れたように溜め息をついた。
それからファーを見る。
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